僕がポメラ(Pomera)を使いこなせなかった理由

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テキストエディット専用の携帯型ワープロマシンとして人気の根強いポメラ(Pomera)。僕も一時期DM100を所有していて、確かに文書作成に集中できていいなという印象は持った。今買うとしたら後継機のDM200になるだろう。

ただ実用面でかなり困ったことが生じたのでキングジム社への要望を込めたレビューをしたい。

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ポメラ(Pomera)でやろうと思っていたこと

まず初めに、どのような用途で使おうとして失敗したのかを明らかにしておかないと僕の意図が伝わらないと思うので、ポメラDM100を使おうとした経緯を述べておきたい。

文献を読みながらメモを取る

ポメラDM100を購入したのは博士前期課程で言語学を専攻していた頃の話。iPad(9.7インチ)で論文を読みつつメモを取るのにMacBook Airを持ち運ぶとかさばるというのが主な動機だった。

15インチMacBook Proくらいの画面サイズと解像度があればPDFを開きながらメモを取るのも困らないだろうし、その後発売された12.9インチのiPad ProでSplit Viewを使うというのもアリだろう。

その当時の選択肢のなかでなるべくコンパクトにできた組み合わせというのが購入した理由だ。

ハンドアウト・タームペーパー・論文の下書き

講義の発表で使う資料や学期末のタームペーパー、論文などの構想段階のアウトラインをメモしようというもの。

基本的に英語で用意するものなのだけど、構想段階のメモは日本語を使ったりもする。そのときに気が散らないように一つの画面に集中できるポメラは画期的な製品だった。

ポメラ(Pomera)の良かったところ

執筆に集中できる

ポメラはインターネットに接続しないワープロ専用機。当然執筆に集中できる。パソコンやタブレットだと、調べ物をしようとブラウザを開いたまま時間が経ってしまったり、メールやニュース速報やTwitterの通知などが気になったりする。通知なんかはオフにすれば済むんだけど、そういう誘惑から一切断ち切ってくれるのが快適だ。

目が疲れにくい

MacBookシリーズのグレア(光沢)液晶はどうしても長時間作業すると目が疲れるし、非光沢フィルムをつけると文字が読みづらくなるなどの欠点がある。

その点ポメラはモノクロ液晶。最新機のDM30はE-ink(電子ペーパー)なので目が疲れにくい。長時間の使用に耐えられるデバイスだ。

ポメラ(Pomera)が「使えない」と感じた瞬間

外国語の文字入力に難がある

上記の通り、ポメラはワープロ専用機としては非常に優秀だ。ただそれは日本語に限った話。フランス語やロシア語やギリシャ語はおろか、英語の入力にすら難を感じてしまった。

ギリシャ語文字・キリル文字などが不便

これは僕はあまり使わないからいいのだけど、ギリシャ語文字・キリル文字などの入力には文字パレットを呼び出す必要がある。当該言語の学習には全く使い物にならない。

アクセント記号の入力も同様に不便

英語を書くひとならわかるだろうけど、気取った文章を書くときにはフランス語やラテン語を入れたりすることがある。そのときに困るのがアクセント記号

これもいちいち文字パレットを呼び出さないといけない。

引用する論文の著者名が入力できないということが多々あった

自分で記号列を決めておいてパソコンに移したときに置換するというのでもいいけど、ポメラ上でも使える文字なのだから簡単に入力できるようにしてほしい。

CtrlキーやAltキーがあるんだから、パソコンのIMEと同じように入力することは物理的には可能なはずだ。

解決策はLaTeXか…?

ポメラは外国語の文字や記号の入力に向かない。ただLaTeXなどを使えばそれはカバーできる問題かもしれない。LaTeXであれば記号や特殊文字に対してコマンドが割り当てられているし、それで書いておいてパソコンでコンパイルすればいいだけの話。TeXユーザーの方にとっては、僕のような不満は生じないだろう。

キーボード配列

僕は普段英語キーボード(US配列)を使用しているのだけど、それは日本語キーボード(JIS配列)のキー配置に難を感じているからだ。

ポメラは日本の会社が日本人向けに作った製品なので、当然日本語キーボードモデルしか存在しない。

こういうワープロ専用機は日本国外でも需要があると思うので是非US配列モデルを開発してほしいところだ。

日本語入力にはあまり困らなかった

実際日本語入力専用機としてはあまり不便を感じなかった。調べ物をしながら引用部分をコピペするといった使い方はもちろんできないので、ネット記事を参照しながらブログ記事を書くようなスタイルには不向きだろう。あくまでも自分の言葉だけを書くときに限ってはこれ以上にない製品だと思う。

ポメラの向いている人・向いていない人

ポメラの向いている人

  • パソコンだと気が散って文字入力に集中できない人
  • 日本語で長時間文章を書く人
  • 縦書きのワープロがほしい人

ポメラの向いていない人

  • 調べ物や記事の引用を含む作業をする人
  • 日本語以外で文章を書く人

現行のポメラ(Pomera)ラインナップ(2019年2月8日時点)

ポメラ DM200

デジタルメモ「ポメラ」DM200 紹介ムービー

スペック

  • 7インチワイドTFT液晶(WSVGA(1024×600ドット);バックライト搭載)
  • 日本語JIS配列キーボード・キーピッチ17mm
  • IME:ATOK for Pomera Professional
  • サイズ:約263(W)×120(D)×18(H)mm
  • 質量:約580g
  • USB 2.0(microBタイプ)
    • PCリンク、充電ポートとして使用
  • 対応記録メディア:
    • SDカード(最大容量2GB)
    • SDHCカード(最大容量32GB)
    • 無線LAN:IEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯)
  • Bluetooth:Bluetooth 4.0 + EDR
  • バッテリー:リチウムイオンバッテリー
    • 使用時間 約18時間
    • 充電時間 約5時間
  • ACアダプタ
    • 入力:AC100-240V(50Hz/60Hz)
    • 出力:DC5V 1.5A(USBポート出力)
  • PCリンク対応OS
    • Windows 7 以降(32/64bit 版)各日本語版
    • Mac OS X 10.9 以降
  • 搭載辞書(モバイル端末用に再編集されたもの)
    • 「角川類語新辞典.S」
    • 「明鏡国語辞典MX」
    • 「ジーニアス英和辞典MX」
    • 「ジーニアス和英辞典MX」

テキスト編集機能

  • アウトラインで構成を整理・見出し単位の移動が可能
  • 2つのテキストを同時に開いて相互参照が可能
  • 縦書き編集や白黒反転表示に対応
  • 行番号標示に対応
  • 罫線や方眼の表示も可能

共有機能

  • Gmailアカウント経由でMac・iOSデバイスと連携可能
  • メール経由でEvernoteなどのクラウドストレージアップロード可能
  • Wi-Fi搭載のプリンタからのプリントアウトに対応

ポメラ DM30

デジタルメモ「ポメラ」DM30 紹介ムービー

スペック

  • 6インチ電子ペーパーディスプレイ(SVGA800×600ドット)
  • メモリ:8GB
  • 日本語JIS配列キーボード・キーピッチ17mm
  • IME:ATOK for Pomera
  • サイズ:
    • 折りたたみ時:約156(W)×126(D)×33(H)mm
    • 使用時:約286(W)×131(D)mm
  • 質量:約450g(電池含まず)
  • 電源:
    • 単3形アルカリ乾電池×2本
    • 単3形エネループ×2本
    • バックアップ電源:リチウムコイン電池(CR2032×1)
  • USB 2.0(microBタイプ)
    • PCリンク、充電ポートとして使用
  • 対応記録メディア:
    • SDカード(最大容量2GB)
    • SDHCカード(最大容量32GB)
    • 無線LAN:IEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯)
  • ACアダプタ
    • 入力:AC100-240V(50Hz/60Hz)
    • 出力:DC5V 1.5A(USBポート出力)
  • PCリンク対応OS
    • Windows 7 以降(32/64bit 版)各日本語版
    • Mac OS X 10.10 以降
  • 搭載辞書(モバイル端末用に再編集されたもの)
    • 「明鏡国語辞典MX」
    • 「ジーニアス英和辞典MX」
    • 「ジーニアス和英辞典MX」

テキスト編集機能

  • アウトラインで構成を整理・見出し単位の移動が可能
  • 縦書き編集や白黒反転表示に対応
  • 行番号標示に対応
  • 罫線や方眼の表示も可能
  • 表形式の入力も可能(.csv形式)

共有機能

  • microUSB、SDカードで直接転送可能
  • 専用アプリ「pomera QR code reader」でスマートフォンと連携
  • 無線LAN機能付きSDカード「FlashAir」による転送に対応

海外進出でUS配列の開発はあり得るか

ITmediaの「DM30」紹介記事によると、キングジムはポメラの海外進出を考えているようだ。

クラウドファンディングサイトの米Kickstarterで、5月15日から6月14日まで、米国でのポメラの需要を調査するプロジェクトを実施することも発表した。当初はJIS配列のDM30を掲載し、英語マニュアルを添付したものを出荷するとしており、英字配列などハードの変更については今後検討していくという。

周年のポメラ新製品「DM30」をじっくり見る 電子ペーパー&乾電池&折りたたみ式キーボード搭載(ITmedia)

残念ながらこのクラウドファンディングには3,557,409円しか集まらず、目標額であった10,000,000を達成することはできなかった。

こうなってしまうと、やはりポメラは日本語入力専用機として割り切るしかないんだろうか。学部のときのイギリス文学の先生がポメラを愛用しているとおっしゃていたので、US配列で多言語対応にする需要はあると思うのだけど…。

参考リンク

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