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テキストエディタUlyssesが課金制に移行

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昨日レビュー記事を上げたばかりのテキストエディタUlyssesが現地時間10日、バージョンアップに伴い課金制に移行した。

買い切り型の旧バージョン(macOS版5,400円、iOS版3,000円)はすでにストアから削除されており、新たに購入することができなくなっている。

8月7日(火)にmacOS版とiOS版の両方を購入したばかりの筆者にとっては非常に痛い話だが、簡単にまとめていきたい。

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無料期間は「通算起動時間10時間」から「14日間」に変更

新しいバージョンはiOS版・macOS版ともに初回の起動から14日間のトライアルがついており、iCloud経由で複数のデバイスからの編集も体験できる。アプリの無料化に伴ってUlyssesのサポートサイトからmacOS対応のデモ版が削除されている。旧バージョンのデモ版は通算起動時間10時間使えたが、新バージョンはカレンダー通りの14日間で無料期間が終わってしまうので注意が必要だ。1日の起動時間が2時間に満たない人にとっては無料期間が短くなってしまうが、そのぶんiOS版も一緒に試せるので14日間のうちに使い倒してほしい。

なお、買い切り版とサブスクリプション(課金)版は同じ名前ながら別のアプリとして認識されているようで、macOSでもiOSでも共存できている。

Ulysses Mobile
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Ulysses: テキストエディタ
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料金

気になるUlyssesの新バージョンの料金だが、月額550円、年額4,400円(1ヶ月あたり366円)だ。中高生、専門学校生、(短期)大学(院)生1は学割料金があり、6ヶ月間1,300円(1ヶ月あたり216円;自動更新なし)で利用できる。

学割プランの申請には、画面の案内に沿って学生証をカメラで撮影して送信する必要がある。

Ulyssesの学割プラン
Ulyssesの学割申し込み画面(1)
Ulyssesの学割プラン
Ulyssesの学割申し込み画面(2)。名前、メールアドレスのほかに学生証の画像が必要。

既存ユーザーは月額料金が割引

すでにUlyssesを購入しているユーザーには、年間料金が(月額プランと比べて)半額の3,300円(1ヶ月あたり275円)になる特別移行割引が用意されている。

2017年10月31日まで有効だそうなので、既存ユーザーでこれからもUlyssesを使い続けていく人は早めに申し込む必要がある。

特別移行割引
既存ユーザー向けの特別移行割引。2017年10月31日まで有効。

「学割」と「特別移行割引」、どっちがお得?

学割対象の既存ユーザーは注意が必要だ。学割プランは6ヶ月間1,300円(=年間2,600円)で特別移行割引よりもお得だが、更新になる半年後には「特別移行割引」が期限切れなのだ。

学割プランと特別移行割引との差額は年間700円なので、卒業/終了が近くてその後も使い続ける場合は学割プランでなく特別移行割引を取ったほうがお得になるケースもある

モデルケース1(2年で卒業する学生)

2年で卒業する学生が5年間使うケースを考えてみよう。計算の便宜上、5年間料金は変わらず、アプリの更新も続くものとする(実際は為替レートの影響で価格が変動することがあるので注意されたい)。

学割を使った場合、学生プランを2年(6ヶ月1,300円×4回)、通常の年間プランで3年(12ヶ月4,400円×3)で5年間の合計は18,400円だ。

特別移行割引を使った場合、年間料金が3,300円で5回なので5年間の合計は16,500円

モデルケース1では、 特別移行割引を使った方がトータルで安い計算だ。

モデルケース2(3年で卒業する学生)

現在学部2年生で3年後に卒業し、その後2年間(合計5年間)Ulyssesを使い続けるというケースを考えよう。

学割を使った場合、学生プランを3年(6ヶ月1,300円×6回)、通常の年間プランで2年(12ヶ月4,400円×2)で5年間の合計は16,600円だ。

特別移行割引を使った場合、年間料金が3,300円で5回なので5年間の合計は16,500円

モデルケース2でも、(誤差だが) 特別移行割引を使った方がトータルで安い

お察しのように、4年間学生で1年間通常料金の場合は学割プランを選択した方が安い。今後Ulyssesというアプリが何年間アップデートされつづけるのかわからないし、料金が為替の変動やキャンペーンなどで変動することもある。正確なことは言えないけれども、もし使い続ける予定なのであれば「特別移行割引」を利用することをお薦めする。

最近購入した人には最大18ヶ月の無料期間

筆者のように最近Ulyssesの旧バージョンを購入したばかりの人には、最大で18ヶ月の無料期間が付与されている。サポートサイトのブログによると、macOS版(5,400円)購入者は最大12ヶ月分、iOS版(3,000円)購入者は最大6ヶ月分なのだそうだ。

年間の料金が4,400円だから、macOS版だけを購入した人は(購入時期によっては)少し損をしたことになる計算だ。「iOS版も使えるようになったのだから」と割り切るか、アプリ作成者またはApp Storeにクレームをつけるほかないだろう。

筆者のもとには19ヶ月間の無料期間が

サポートサイトのブログには最大18ヶ月(a free-use period of up to 18 months, depending on when you bought, which version you bought and so on)と書いてあるのだが、筆者が新バージョンのアプリをダウンロードすると以下のような文言が書いてあった。

最近Ulysses for Mac、またはUlysses for iOSを購入していただきましたので、19か月無料で全機能をご使用いただけます。

最近購入したユーザーへの無料期間サービス
「19か月無料」の文字。何かの間違いか…?

最大18ヶ月のはずが19ヶ月の無料期間をいただいた。1ヶ月多いんじゃないかな…? どうしてこうなったのかわからないが、8月7日(火)にmacOS版とiOS版の両方を購入したばかりの筆者の無料期間は19ヶ月だった。

(8/12追記)Google検索で24時間以内に更新された「Ulysses 課金」を含むエントリを検索すると、2ヶ月以内に(2017年6月〜7月)に購入した北真也さん(@beck1240)のブログがヒットしたが、無料期間は18ヶ月だそう。 

今後も課金制アプリは増える?

このところ買い切り型から課金型へ移行する動きが方々で見られるようになった。

MicrosoftのOffice 365やAdobeのCreative Cloudなどは今のところ併存しているが、開発元としては課金型に全て移行したいというのが本当のところだろう。

課金型は常に最新版を提供することで旧バージョンのバグを消すマイナーアップデートを不要にするし、ユーザーから定期的に利用料金を得ることができる。

買い切り型のユーザーに無料のマイナーアップデートを続けても最新版を買ってくれるとは限らないのだから、課金型にしたいのは当然だろう。

このテーマで後日記事を書くつもりでいるが、しばらく課金型への移行が続いた後にはバンドル化が進むことだろう。アプリ10本の中から3本選ぶと月額XX円といったように。

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Notes

  1. 原文は”a student in high school, vocational school, college or university”(https://ulyssesapp.com/students/)。
  2. (8/12追記)Ulyssesがサブスクリプションモデル(課金制)に移行した理由については(Why we’re switching Ulysses to Subscription)を参照。
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プロフィール
タクログ。(TAK)

高校と専門学校で英語を教えるガジェットオタクの非常勤講師(英語)。早稲田大学教育学部卒業、上智大学大学院博士前期課程修了。Win95時代からダイヤルアップでネット界隈に潜伏、高校時代は駅前の書店で週刊アスキーを買って学校へ持ち込む。2010年にマカーに転向。愛用カメラはPENTAX K-70。趣味は喫茶店巡り。

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