Impress Watchなどが報じたところによると、ソニー・コンピュータエンタテインメントはPlayStationやスマートフォン、パソコンなどと連携できるレコーダー機能付きネットワークストレージ「nasne(ナスネ)」を「近日出荷完了予定」とし、後継機などは現時点では予定していないという。
2012年8月に発売された「nasne」は地上・BS・CSの3波に対応したデジタルチューナーを搭載したネットワークストレージ(NAS)。2016年に最新機の1TBモデル(CUHJ-15004)を発売して以来アップデートがされてこなかった。
「FAT32」で使えるドライブ領域は最大2TB
以前「nasneにハードディスクを増設する方法」という記事を書いたときに触れたように、「nasne」のハードディスクのフォーマットは「FAT32」という形式。MS-DOSのファイルシステム「File Allocation Table」の32ビット版で、Wikipediaによると導入されたのは1996年8月だそうだ。
「FAT32」で1つのドライブ領域として使えるのは最大2TBで、ファイルについても最大4GBしか移動・保存できないという制約がある。はっきり言って時代遅れのフォーマットだ。
現在では「NTFS」や「exFAT(Extended FAT)」などに取って代わられている。
しばらくは使えるらしいが乗り換えが無難か
前の記事でも触れたが、発売当時とは異なり月額制動画サービスや見逃し配信サービスが充実した2019年現在、同時に複数のチャンネルを録画できない(複数台が必要)「nasne」は役割を終えたのではないだろうか。
「nasne」はインターネット回線を通じて外出先から番組を観られることも売りのひとつだったが、これはSONYをはじめ各社のレコーダーに搭載されている。
全自動録画対応のレコーダーも比較的安価で手に入るようになったし、4K・8K放送も始まっている。地上・BS・CSの3波でフルハイビジョンが限度、しかも1チャンネルのみという「nasne」は確かに時代遅れだ。
「nasne」並のUI搭載のレコーダーはないものか
…とはいっても、「nasne」はUIが素晴らしいしレスポンスもいい。「ニコニコ実況」機能やユーザーの番組録画予約数・視聴数がリアルタイムでわかる「トルミル」機能も素晴らしかった。
リアルタイムで何がホットなのかを追いかけるには「nasne」以上に素晴らしいものはない。
同じようなUIが搭載されたレコーダーが出ないものか。そう願うのは僕だけではないはずだ。
追記)ニコニコ実況は近いうちに使えなくなるかも
「nasne」でコンテンツを観る際に使う「torne mobile」で盛況の「ニコニコ実況」機能。ドワンゴの「ニコニコインフォ」によると、2019年3月26日にパナソニック製機器向け「niconico」アプリがサービスを終了して以来、光BOX+、レグザ、LG製機器、シャープ製機器、KDDI製機器、ブラビア(SONY)、Amazon Fire TV/Stick、Air Stickと続々と「niconico」「ニコニコ」アプリサービスが終了している。
そうだとすると、「torne mobile」についてもニコニコ実況機能については近いうちに使えなくなる可能性が高い。
ハードディスクのフォーマットの問題に加えて、こういったソフト面での事情も遠因になったのではないかと考えても邪推ではあるまい。