以前、macOSの日本語入力を純正のものに戻したというエントリを書いたが、あれからしばらくmacOSの日本語入力を使っていて苛立ちを覚えている。
ローマ字入力で日本語を入力しようとすると、文字が上下にブレるのだ。
Appleのサポートに問い合わせたりしながら原因と対策を探ってみたのでまとめてみたい。
原因はシステムフォント!
純正のメモ(Notes)などで起きやすいこの現象。
PagesやMicrosoft Wordでは確認できなかった。何故だろうか。
試しにフォントパネル([command]+T)を開いてPagesなどでよく使われる「ヒラギノ角ゴシック」に変更してみると、全く問題が起きなかった。
対策
フォントをヒラギノ角ゴシックなどに変更する
上述のように、純正の「メモ」(Notes)などのアプリではフォントパネル([command]+T)でフォントの変更が可能だ。
「ヒラギノ角ゴシック」などでは問題は確認されていない。
ただし、Twitterなどフォントの設定ができないアプリもあるから、他の対策が必要だと思う。
他社のIMEを入れる
Google日本語入力
GoogleのIME「Google日本語入力」を試してみた。
日本語入力時はローマ字が全角で入力されるためか、システムフォントでも文字が上下にブレることはないようだ。
しかし、最後に「OK」と半角で入力したところラインがズレてしまう。純正日本語入力よりはマシだが、システムフォントを使う場合はGoogle日本語入力でもNGのようだ。
かわせみ2
物書堂のIME「かわせみ2」でも同様。
日本語入力時はローマ字が上下にブレることないが、半角文字を入れるとダメ。
設定で英字を「常に半角」にすると完全にアウトだ。
ATOK for Mac 2016
以前使っていたATOK for Mac 2016も同様。
「ATOK」を半角文字で入力していたため最初は問題ないのかと思ったが、2行目を全角文字で始めたら同様の現象が起きた。
ATOKでもシステムフォントを使う以上は同様のトラブルが起きてしまうという残念な結果も終わった。
システムフォントを入れ替える(上級者向け)
macOS High Sierraは(標準機能では)システムフォントを入れ替えることができないのだが、TinkerToolなどサードパーティ製のアプリを入れることによって可能になる。
「ヒラギノ角ゴシックW3」などに入れ替えれば、どのアプリでも日本語入力でイライラすることはなくなるだろう。
ただし、不具合が起きてもAppleはサポートしてくれないので注意が必要だ。個人的にはオススメしない。Appleのサポート担当者も「自己責任で」とのことだった。
Appleサポートに報告したが…。
以上、macOSの日本語入力で文字が上下にブレる不具合の原因と対策について見てきた。
Appleのサポート担当者は「プログラマーのチームに報告するが、問題がフォントの形に起因する場合は対応が難しい。対処できるとしても時間がかかる」とのことだった。
そういうわけで、筆者はATOKと純正IMEを行ったり来たりしている。
ATOKは2018以降サブスクリプション版に以降予定
ATOK for Macの最新バージョンは「ATOK for Mac 2017」で、パッケージ版とダウンロード版が販売されている。
2018年以降はサブスクリプション版の「ATOK Passport」に統一されることが発表されている(JustSystemsプレスリリース)ため、これから新規にインストールするのであればそちらの方がいいかもしれない。
Windows・Mac・Androidに最大10台までインストールできる ATOK Passportはベーシック版が月額286円(税別)、「8カ国語クラウド翻訳変換 for ATOK」「8カ国語クラウド翻訳変換 for ATOK」「8カ国語クラウド翻訳変換 for ATOK」のついたプレミアム版が月額476円(税別)となっている。いずれも ジャストシステム直営ECサイト Just Myshop から購入できる。
iOS版「ATOK for iOS」は現在のところ買い切り型で1,600円。App Storeからダウンロードできる。筆者としては、ATOK for Macが2018年版にアップデートされる頃にサブスクリプション版に移行するのではないかと想定している。