日本経済新聞電子版によると、金融庁は2018年6月22日、仮想通貨交換業者6社に業務改善命令を行った。検査の結果、マネーロンダリング(資金洗浄)などへの対策に不備があったという。
今回業務改善命令の対象となったのは以下の6社。
発端は「Coincheck」のNEM流出事件
2018年1月にCoincheck仮想通貨「NEM」が不正流出する事件が発生したのを受け、金融庁は「みなし業者」への立ち入り検査を実施した。行政処分を受けたり撤退を決めたりした企業もある。
日経新聞によると、金融庁はあわせて登録業者についても立ち入り検査を進めたそうだ。金融庁は登録業者への処分を踏まえ、新規の登録審査をより厳しく進める方針だという。
仮想通貨は生き残れるか
政府や中央銀行の信用の下に発行される通貨と異なり、仮想通貨にはそういった後ろ盾がない。通貨というのは、歴史を紐解くと物々交換を円滑に行うための手段だった。
物々交換から貨幣経済へ移行した際には、貨幣に使われる金や銀などの金属が「信用」を示していたが、金本位制の廃止以降は政府や中央銀行に対する「信用」が貨幣経済を成り立たせる根拠となっている。
仮想通貨には後ろ盾がないので、世の中の人々がそれをどれだけ信用し、どれだけ流通するかという点が鍵となってくる。
仮想通貨は利用者が増えれば生き残る
仮想通貨という存在は、国民国家の運営する貨幣経済とは相容れない。これからも仮想通貨に対する締め付けは続くであろう。そう考えると、Binanceのようなオープンな海外の取引所を利用したほうがいいのかもしれない。
仮想通貨が生き残れるかどうかは、利用者が増えるかどうかにかかっている。仮想通貨の利用が広がり、それが当たり前の社会が訪れれば、仮想通貨を中心とする新たな経済圏が生まれるだろう。
そう考えると、円やドルなどの貨幣だけではなく、仮想通貨にも資産を逃がしておくということが得策かもしれない。
国内の主な仮想通貨交換業者
- BitFryer(ビットフライヤー)
- Zaif(テックビューロ)
- QUOINEX (QUOINE)
- bitbank
- BITPOINT(ビットポイントジャパン)
- GMOコイン
- DMM Bitcoin
- コインチェック
参考リンク
- 仮想通貨、ビットフライヤーなど登録6社に改善命令 (日本経済新聞電子版)